2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞の浸潤と転移における、新規Dishevelled関連蛋白GCF2の機能解析
Project/Area Number |
20689025
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 英郎 東北大学, 病院, 助教 (50451563)
|
Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 外科 |
Research Abstract |
GCF2の癌転移形成に与える影響についてin vivoにおける解析を行った。SiRNAの手法を用いて大腸癌細胞株(HT-29)GCF2の発現を恒常的に抑制した細胞株を作成しマウスの脾臓に注入するXenograftモデルを作成、GCF2と肝転移との関係について検討した。GCF2の発現を抑制した細胞株では,肝臓における転移形成が有意に減少した。GCF2は細胞の増殖能に影響を与えないことから、癌細胞肝転移形成深く関与しているものと考えられた。 次に細胞の細胞外基質に対する接着能へGCF2の関与について検討した.この結果GCF2の発現を抑制することで,特にFibronectinに対する接着能が有意に抑制された。Fibronectinは受容体であるIntegrinを介した細胞移動・浸潤能も調節していることから,Fibronectinを刺激としたintegrin signal系への関与について機能解析を行うこととした。GCF2の発現を抑制することで,Fibronectinを刺激とした移動・浸潤能が顕著に低下することが明らかとなった。以上よりIntegrinを介した細胞接着・移動並びに浸潤能を調節することで,癌細胞が血管外へとExtravasateしていく過程を制御している可能性が示唆された.さらにGCF2はintegrin刺激によるRhoAの活性化を制御していることが明らかとなった。またGCF2の発現はRhoAの活性化を介したActin stress fiberの形成にも重要な役割を担っており,その発現を抑制することでStress fiberの形成不全につながることが確認された.本年度の研究成果によりGCF2がIntegrin signal pathwayで働き、細胞の外基質への接着能を制御することで、癌細胞の転移形成に関与することが示唆された。
|
Research Products
(5 results)