2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
The functional analysis of GCF2, a novel Dishevelled interactingprotein
Project/Area Number |
20689025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
OHTSUKA Hideo Tohoku University, 病院, 助教 (50451563)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 外科 |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌細胞の浸潤、転移における新規Dishevelled関連タンパク:LRRFIP1/GCF2のはたらきを明らかにすることにある。 GCF2/LRRFIP1(以下GCF2)は米国国立癌研究所のAlfred Johnson博士らが1998年にクローニングした752アミノ酸よりなる蛋白質である。博士らは、GCF2が細胞の核内でEGFRのプロモーター領域と結合しその転写を抑制する事を明らかにした(Reed, A.L., et al., J Biol Chem, 1998)。その後、Fongらは、actin関連蛋白質Flightless-1のLeucine Rich Repeat(LRR)領域をbeitとしてYeast two hybridを行い、GCF2がFlightless-1と結合することを報告し、actinを中心とした細胞骨格の調節に関与することを示唆した(Fong KS. Genomics, 1999)。 申請者はこれまでGCF2の細胞骨格、運動調節機構に関して、さまざまな興味深い知見を得た。 (1)GCF2は細胞運動において、正の作用を有する。 (2)GCF2の発現はsmall G protein RhoAの活性化に必須である。 (3)GCF2はWnt signal pathwayにおける重要なmediatorであるDishevelled(Dvl)と結合する。 これらの知見から本研究プロジェクトでは、GCF2が癌細胞の浸潤・転移機構のなかでも重要な機能を有しているとの仮説のもとに以下の点について明らかにすべく研究を行った。 (1)細胞内骨格の制御におけるGCF2の役割を分子レベルで明らかにする。すなわち、培養細胞をもちい細胞運動が起こる際のActin fiberの再構成、すなわち、stress fiberやfilopodia、lamellipodiaの形成におけるGCF2の関与、また、同じく細胞運動に極めて重要な微小管安定化におけるGCF2の役割について明らかにする。 (2)癌細胞の転移、浸潤における細胞の接着性にGCF2が関与するか、特にRho-Rho kineseを介したintegrin複合体いわゆるFocal adhesionの形成への関与、またはDishevelled-βcateninを介したE-cadherin複合体への関与について明らかにする。 (3)in vivoにおける癌の転移に与える影響を検討する。すなわちヌードマウス癌移植モデルを用いて、その転移巣の形成への関与を明らかにする。
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