2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 健洋 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (40431548)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / 木 / 部分k木 / 分割問題 |
Research Abstract |
選挙区割問題や画像処理などに応用がある「グラフの均一分割問題」については,以下の研究を行った.この問題は,点に整数の重みが付いたグラフが与えられたとき,グラフから辺を削除し,各連結成分に含まれる点重みの合計が均一になるように分割する問題である.本研究では,与えられたグラフが木と呼ばれる単純な構造をもつとき,均一分割問題が多項式時間で解けることを示した.その研究成果は論文にまとめ,現在,海外の学術雑誌に投稿中である. 一方で,電力系統の配電融通問題などに応用がある「需要と供給のグラフ分割問題」については,以下の研究を行った.この問題は,需要点と供給点のあるグラフに対し,電力が供給されない需要点ができてしまうとき,供給されている需要点の需要量の合計を最大にする最大化問題である.グラフが部分k木と呼ばれる特殊な構造をもつとき,この最大化問題を解く擬多項式時間アルゴリズムを与えていたが,その研究成果が海外の学術雑誌Discrete Applied Mathematicsに掲載になった. また,需要と供給のグラフ分割問題に関して,アルゴリズムの「動的計画法の情報を荒くする」という発見的手法を実験した.その結果,充足量に関する情報を荒くしても,近似解の精度に大きな影響を与えることなく,しかも高速に解が求められる事がわかった.この発見的手法は,数十点規模のグラフであれば1秒以内に近似解を求める事ができる.
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