2008 Fiscal Year Annual Research Report
高性能・高安全なバイオメトリクス認証システムの開発
Project/Area Number |
20700151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 康一 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70400299)
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Keywords | 画像, 文章, 音声等認識 / ディジタル信号処理 / 画像照合 / 位相限定相関法 / 個人認証 / バイオメトリクス |
Research Abstract |
平成20年度は, 以下の2項目について検討した. 1. 位相限定相関法を用いたバイオメトリクス認証アルゴリズムの高性能化を検討した. 特に, 本年度は, カメラなどで取得した生体特徴画像に含まれるひずみを正確に補正することで, 大幅な認証性能の向上を図った. その一例として, ひずんだ掌紋(手のひら)画像の場合, 拡大縮小, 回転, 平行移動の補正だけでは正確に画像間の位置を合わせることができないため, 認証性能も低下する問題があった. 画像間のひずみは, 局所的なブロックがそれぞれ異なる方向に平行移動していると考えられることに着目した. そこで, 画像ピラミッドによる粗密探索と位相限定相関法を用いた局所的な画像ブロックのマッチングを組み合わせた対応点探索を用いて登録画像と入力画像の対応点を高精度に求め, その対応関係から変形パラメータを推定し, 画像のひずみを補正する新しいアルゴリズムを検討した. 2.広く公開され, 標準的に性能評価に用いられている掌紋画像データベース(香港理工大學が公開しているPolyU PaImprint Database)およびカメラで手のひらを撮影して収集した掌紋画像データベースを用いて, 1.で検討した認証アルゴリズムの性能を評価した。特に, 1で提案したアルゴリズムに含まれるひずみ補正の有効性および従来法との性能比較などを総合的に実証した. また, 他のバイオメトリクス認証(例えば, 歯科X線画像など)においても同様なひずみ補正アルゴリズムが有効に活用できるかについて検討した.
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