Research Abstract |
本研究は,疲労検出システムの構築を目的とし,平成20年度は疲労を起こさせる作業をVDT作業と限定したうえで,研究に使用する音声データの収集を行い,分析を行った.その結果,以前に収集した疲労時の音声データと同様に「基本周波数の低下」,「パワーの低下」,「継続時間が長くなる」という傾向が見られたため,平成21年度は以前に試作したシステムを改良し,疲労の検出基準とする上記3つのパラメータの閾値を設定し疲労検出を行った.また,試作システムを実際に10名の被験者に使用してもらい,使いやすさの評価を行った.その結果,試作システムでは,疲労あるいは非疲労の表示をテキストで表示していたため,使いづらいとの評価が多かった.そこで試作システムを改良し,疲労あるいは非疲労を表す画像を作成し,結果を画像表示するようにした.また,作業中にパソコンを注視することが難しい場合もあるため,パソコンにUSB接続の警告灯を接続し,疲労を検出した場合には点灯させ,作業中でも疲労・非疲労の検出結果に気がつきやすくした.更に,疲労時には音声で「疲労しています.休んでください.」などの警告音が流れるようにシステムの改良を行った.結果,本システムは使いやすさが向上し,より実用性の高いシステムの構築が行えたといえる.また,作成した疲労検出システムは,閾値を変更することにより,VDT作業のみでなく,他の作業時の疲労検出も行うことができる.使用する機器もヘッドセット及びパソコンのみでよく,運用時のコストを抑えることが出来る.更に音声による結果の掲示及び,必要に応じて警告灯を追加することが出来,画面を注視できない場合でも使用することが出来,汎用性も高いといえる.
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