2008 Fiscal Year Annual Research Report
「見えていない」ことの認識が可能な知能ロボットに関する研究
Project/Area Number |
20700182
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
今井 順一 The University of Electro-Communications, 大学院・電気通信学研究科, 助教 (30401623)
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Keywords | 知能ロボティクス / オクルージョン / 物体追跡 / 環境認識 / 平面検出 / インタラクション |
Research Abstract |
本研究課題は, 人間共存型ロボットと人間との知的なインタラクションを, オクルージョンが頻繁に起こり得る人間の生活空間において実現することを目的とする. オクルージョンとは, 手前の物体によって奥の物体が隠され, 視覚的に観測できない状態をいう. 本年度は, オクルージョンの起こり得る環境での円滑なHuman-Robot Interaction(HRI)の実現に関連する2つの要素技術について研究を行った. 1. ロボットが注目・追跡すべき対象が他の物体に隠され見えなくなった場合に, 追跡対象を「本来追跡すべき対象」から「それを隠した遮蔽物」へと自律的に切替え, 間接的に追跡を続行する技術を確立した. 特に, 色分布集合及びSIFT特徴点集合に基づく物体モデルの動的作成手法を開発し, 姿勢による見え方の変化に対して頑健な物体の認識・追跡を実現した. これにより, オクルージョンが発生しても注目物体の位置を頑健に認識し続けることが可能となった. 2. どの領域がロボット自身またはユーザの死角領域なのかを認識するために, 距離情報を取得可能なステレオカメラからロボットを取り巻く環境の3次元構造を高精度で推定する手法を開発した. まず, Hough変換を利用した平面検出手法を開発し, 高速・高精度な周囲環境構造推定を可能にした. また, テクスチャが乏しく距離を得られない領域に対し, 平面パッチで補完する手法を開発した. さらに, この技術を既に開発済みの技術で推定したユーザの位置, 姿勢の情報と組み合わせることで, 相手の人間及びロボット自身が「何を見ることができるのか」, 逆に「何を見ることができないのか」をロボットに認識させることを実現した.
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Research Products
(2 results)