2009 Fiscal Year Annual Research Report
「見えていない」ことの認識が可能な知能ロボットに関する研究
Project/Area Number |
20700182
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
今井 順一 The University of Electro-Communications, 大学院・電気通信学研究科, 助教 (30401623)
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Keywords | 知能ロボティクス / オクルージョン / インタラクション / 音源位置推定 / 印象評価実験 |
Research Abstract |
本研究課題は,人間共存型ロボットと人間との知的なインタラクションを,オクルージョンが頻繁に起こり得る人間の生活空間において実現することを目的とする.オクルージョンとは,手前の物体によって奥の物体が隠され,視覚的に観測できない状態をいう.本年度は,前年度に引き続きオクルージョンの起こり得る環境での円滑なHuman-Robot Interaction(HRI)の実現に関連する要素技術の研究開発を行った.また,開発した要素技術を統合したロボットの振舞いが人間に与える印象について,主観評価実験を行った. 1. オクルージョンにより音源位置が直接観測できない状態での音源位置推定手法を開発した.従来手法では音源が隠されて見えない場合,その位置を精度良く推定することは困難であった.本研究課題では,推定結果を時間方向に加算する処理を従来手法に加えることによって誤推定を減らすとともに,前年度に開発した環境認識手法と組み合わせることで音源が存在する可能性のある場所を絞り込み,集中的に推定を行うことで頑健な音源位置推定を可能にした. 2. 開発した要素技術を一つのロボットシステムとして統合した.さらに,人間との実際のインタラクションにおいてそのロボットの振舞が人間に与える印象について主観評価を行った.その結果,オクルージョンの起こり得る環境において適切な行動を生成できるロボットは,人間に対して「親近感」をはじめとする好印象を与えることを明らかにした.この結果は,ユーザである人間とロボット自身との間で周囲環境の捉え方の違い(「状況認識のズレ」)があることを認識し,「相手の立場に配慮した」インタラクションを行うことが可能な知能ロボットの実現に向けた基礎的な知見になると期待される.
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Research Products
(5 results)