2008 Fiscal Year Annual Research Report
美の観点からの草書体文字の生成法と動的手本を用いた書字学習に関する研究
Project/Area Number |
20700202
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 寛之 Fukuoka Institute of Technology, 情報工学部, 助教 (10349798)
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Keywords | 感性情報学 / 最適スプライン / 草書 / 美的評価 / 書字学習 / 文字モデル |
Research Abstract |
本研究では, 申請者がこれまでに取り組んできたスプラインの理論と応用研究の発展研究を行う. 特に, ダイナミックフォントと呼ばれるフォント生成法を基礎ツールとして手書き文字から「美」の観点に基づいた草書体文字フォントを生成する枠組みを開発し, さらにはその枠組みを利用して書道家により書かれた手本を与えて書字する際に人間が書字スキルを獲得する学習過程について実験的に検討することを目的とする. 本年度は, 特に「美の観点に基づく草書体文字の生成法の枠組み開発」の課題に取り組んだ. まず, 最適平滑化スプラインの理論を利用して人間の書字運動データから文字フォントをモデリングする方法を開発した. 具体的には, ペンタブレットにより計測される手書き文字動作による筆記具の位置と筆圧を入力とし, 最適平滑化スプラインの理論によって文字モデルを構成する, というものである. 特に, 書字が上腕運動によたておこなわれることから躍度最小モデルに基づく最適平滑化スプラインの問題を考え, 5次のスプラインを用いて文字のモデリングを行った. 次に, 上の問題で現れる平滑化パラメータを美の観点から調整をする方法を検討した. 具体的には, 認知科学の分野で見られる心理的ポテンシャル場の理論(視覚誘導場)を導入して手法を検討した. 特に, 視覚誘導場の計算時間を軽減するためのアルゴリズムを開発することが鍵となる. 一方, 視覚誘導場に基づき平滑化パラメータを決定しても被験者の書字速度や文字の種類によっては美的評価が全く向上しないことを予備実験で確認した. 原因は文字のサイズや配置などのいわゆるバランスに起因したものである. そこで, 文字の最適バランス決定問題について考え, これらの調整法の妥当性・有用性はペンタブレットを用いた実験により検討した.
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Research Products
(7 results)