2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳模倣型量子計算アルゴリズムエミュレータに関する研究
Project/Area Number |
20700212
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 光永 University of the Ryukyus, 工学部, 准教授 (50396529)
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Keywords | 知的機械 / 量子コンピュータ / 量子計算アルゴリズム / Adiabatic Quantum Algoritm / エミュレーター / 脳模倣型 / エネルギー散逸 |
Research Abstract |
当該研究では, 半導体核スピン量子計算機を基に汎用性の高い量子計算アルゴリズムを提案, 改良及び検証し, その実証のための量子計算エミュレータ(量子計算専用計算機)のハードウェア実現を行うことが目的である。まず仮想的な小規模量子計算機を想定し, そのパラメータの基で, エネルギー散逸などのデコヒーレンスの効果を利用した学習機能を有する脳模倣型量子計算アルゴリズムの実用性の検証を, 初年度設備費で購入した数値計算用高性能パソコンによる数値シミュレーションを利用して行った。その際, 問題として組合せ最適化問題のひとつであるNクイーン問題(但しここでは小規模としてN=4, 即ち16量子ビット)を選択し, 量子計算機のハードウェアを考慮し, 計算機上での数値シミュレーションを通して解の得られる確率を評価・検討した。その結果, 適当なエネルギー散逸の割合が最終的な解の観測確率を改善し, 解が得られる確率を増加させることがわかった。これにより, 量子計算機においてある程度のエネルギー散逸が有用であることがわかり, ハードウェア構築の際の設計条件に多少自由を持たせることが可能であると予想できる。 その結果を踏まえ, 小規模仮想量子計算機のパラメータの基で, 提案する量子計算アルゴリズムをエミュレートする小規模計算機の基本構成回路の設計を行った。その際, 初年度設備費で購入した数値計算用高性能パソコンと, チップ製作依頼先が無償提供する回路設計用ソフトウェアを利用し, 基本構成回路の個々を設計した。小規模ながら, その正常動作を確認した。これにより, 大規模化に向けた問題点とその実現可能性が検証できた。
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Research Products
(2 results)