2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700248
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 暢哉 Nihon University, 大学院・総合科学研究科, 研究員 (70465269)
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Keywords | 空間認知 / ナビゲーション / 認知地図 / ニューロン活動 / 慢性サル |
Research Abstract |
本年度は, ニホンザル1頭を対象にエピソード記憶を要する訓練をおこなった. コンピュータ・グラフィクスを用いて, サルの眼前に設置した3面モニター内に5x5の区画からなるバーチャル迷路を作り出した. モニターには特殊加工した偏光フィルムを装着し, サルには偏光メガネをかけさせることによって, より没入感のある立体的なバーチャル環境を作成することができた. バーチャル迷路内の移動は手元にあるジョイスティックを用いて行なわせた. 迷路内の様々な場所には果物(リンゴ)が置かれており, サルは, ジョイスティックを用いて自由に迷路内を移動し, その果物の場所を探す課題を訓練した. サルが果物に到達した場合には, 報酬として少量の水あるいはジュースを与えた. 果物の置き場所は2回繰り返され, 1回目についてはサルは迷路内のどこにあるかわからないので, 迷路内を探し回らなければならないが, 2回目は同じ場所におかれているので, その記憶をもとに果物が置かれた場所に到達できるものと考えた. 訓練の結果, 1回目よりも2回目において果物が置かれた場所への到達時間が短くなる傾向が認められ, サルがバーチャル迷路内の果物の置き場所を記憶している可能性が示唆された. また, 迷路内の移動時に壁にぶつかつたり同じ場所を何度も訪れたりするような不適切な行動の回数なども減少する傾向がみられた.
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