2008 Fiscal Year Annual Research Report
コアンダジェット制御を利用した多目的外科切開器具の提案と開発
Project/Area Number |
20700383
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小松 真 Iwate Medical University, 共通教育センター, 講師 (40347886)
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Keywords | 水中火花放電 / ウォータージェット / 生体組織切開 / コアンダ効果 / 火花遅れ |
Research Abstract |
本研究では、模擬生体組織を用いたジェットの切開能力の検証、および血管周りのコアンダ効果の確認を目指した。ジェット駆動方式として、ジェットの強さの範囲を広く変えられる放電を採用することとした。そのためはじめにジェットを安定化させる必要があり、本年度は電極の試作を行いその安定性と放出されるジェットの基本特性について調べた。 ジェットの速度は5〜60m/sであり、当初想定していた適正範囲内であった。またジェットの速度・ジェットによる放出水量の計測により、電極ごとの差はあったが同一の電極を使用している限りは放電試行間の極端な特性差はなく、電極の耐久力も50ショット程度までは問題ないことを確認した。そのため安定した電極運用については、統計的に扱うことで目的は達成できると考えた。ただし駆動方式である水中火花放電については、過去の実験と同様に火花遅れが見られ、その際にジェットが強くなり、初期速度・放出質量ともに増加する傾向を確認した。現段階では、これは気泡が少量存在する場合、水がキャパシタの役目を果たし、その破壊によりジェットが駆動するという部分放電に類似した現象が起きているためと考えている。-方、生体模擬組織として5%〜8%W/Vのアクリルアミドゲルを採用し切開したところ、5ショットで3〜6mmの切開が可能であることを接写高速度撮影にて確認した。また血管模擬として断面直径4mmの20%W/Vアミドゲルを用意し、その外周20mm四方を6%アミドゲルで固定し、本ジェットを作用させたところ、ジェットがコアンダ効果により20%W/Vアミドゲルを損傷させずに迂回して進展する様子を確認した。以上、本年度は予定に沿った実験系の設営と基本特性の確認をほぼ終了したので、今後はこれらの定性解析に移行する予定である。
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Research Products
(3 results)