2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700391
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
白石 貢一 Kanagawa Academy of Science and Technology, 高分子ナノメディカルプロジェクト, 研究員 (40426284)
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Keywords | 高分子ミセル / MRI造影剤 / 腫瘍イメージング / ポリイオンコンプレックス / 縦緩和能 |
Research Abstract |
本研究の目的は高分子ミセルを用いて、がん組織のみに画像を強調できるMRI造影剤の開発を行うことである。 平成20年度の研究実施計画及びその成果は、下記の通りである。 1. In vitro高分子ミセル型MRI造影剤の作製とその評価 2. In vivo高分子ミセル型MRI造影剤の評価 本年度、ポリエチレングリコールーポリリシン(PEG-P(Lys))からなるプロックコポリマーに対して、ポリエチレングリコール-ポリアスパラギン酸(PEG-P(Asp))をカウンターポリアニオンとして用いて、高分子ミセルの作製と疎水性内殻の緩和能への影響を検討した。また作製した高分子ミセル型MRI造影剤のin vitro実験を行った。 1. 高分子ミセル型MRI造影剤の作製 PEG-b-P(Lys)からなるカチオン性プロックコポリマーに対となるポリアニオンを加え、高分子ミセルの調整を行った。PEG-P(Asp)に疎水性基であるベンジル基または、ヘキサデシル基を任意の割合で導入し、疎水性度と緩和能の変化について検討した。9.4Tの磁場において、疎水性基が低導入率の場合と、疎水性基の高導入率の場合に緩和能が減少した。これは疎水性相互作用とイオン相互作用のどちらも高分子ミセル形成への影響が緩和能に影響していることを示唆している。 2. 高分子ミセル型MRI造影剤のin vitro評価 作製した高分子ミセルMRI造影剤の細胞毒性試験を行った。アニオン/カチオン比が1以上となる高分子ミセルMRI造影剤の細胞毒性は、MCF-7細胞においてほとんど示さないのに対して、それ以下となり、カチオン比が現れるとそれに対応して毒性を顕著に示すことが分かった。この高分子ミセルMRI造影剤は、細胞レベルにおいて安定な高分子ミセルを形成していることが分かった。本研究で作製した高分子ミセル型MRI造影剤のin vitro評価を行い、次年度に行うin vivo試験に向けて基礎的な評価を行った。
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Research Products
(5 results)