2008 Fiscal Year Annual Research Report
キセノン光線の星状神経節近傍照射を用いた新たな筋力増強法の検討
Project/Area Number |
20700421
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 英樹 Hirosaki University, 大学院・保健学研究科, 講師 (20400145)
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Keywords | キセノン光線 / 星状神経節 / 筋肉痛 / 筋力増強 / 自律神経機能 / 皮膚温 |
Research Abstract |
1. 目的 本研究では、キセノン(Xe)光線の星状神経節(SG)近傍照射が上肢筋の筋力増強練習に伴う筋肉痛を軽減し、筋力増強効果を高め得るか否か検討することを目的とした。 2. 対象と方法 本研究への参加に同意の得られた健常者16名を対象とし、対象者を握力増強練習(5回/週、2週間実施)後に両側のSG近傍へのXe光線照射(Xe-SGI : 10分間実施)を併用する群(Xe併用群)と、握力増強練習のみの群(対照群)に無作為に振り分けた。検討項目として、筋肉痛は、Visual Analogue Scale(VAS)を用いて毎回の握力増強練習実施直後に評価した。握力は、微小握力センサーを用いて各群ともに握力増強練習開始前と2週間後の終了時に測定した。さらに、自律神経機能評価として、Xe併用群ではXe-SGI実施中の心拍変動と1分毎の両上下肢皮膚温を測定した(安静仰臥位にて測定)。一方、対照群でもXe併用群と同様に毎回の握力増強練習後に心拍変動と両上下肢皮膚温を測定した。 3. 結果と考察 心拍変動及び両上下肢皮膚温の解析の結果、Xe-SGI実施中は副交感神経優位となり両上肢皮膚温の低下が抑制されることが明らかとなった。さらに、握力増強練習の効果について解析した結果、Xe併用群でのみ練習開始前と比較して練習終了後での握力の有意な増加が認められた。一方、筋肉痛については、Xe併用群及び対照群ともに握力増強練習期間を通じて著しい筋肉痛が認められず、2群間での明らかな筋肉痛の程度差も認められなかった。以上の結果から、上肢筋の筋力増強練習にXe-SGIを併用することで筋力増強効果が高められる可能性が示唆されたが、これにはXe-SGIによる両上肢皮膚温低下の抑制(両上肢血流量の増加)が関与していると思われる。次年度は、筋肉痛についても検討できるよう筋力増強練習の方法を見直してさらに検討を加える予定である。
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