2009 Fiscal Year Annual Research Report
行動変容技法を用いた食道がん患者の術前運動指導プログラムの開発
Project/Area Number |
20700426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 玲 Kobe University, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
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Keywords | 食道癌 / 術前リハビリテーション / 呼吸器合併症 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の研究実施可能性を踏まえ、患者登録と介入研究を行った。また、研究成果の一部について、ヨーロッパ呼吸器学会、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会にて発表を行った。 本研究の目的は、食道がんにより食道再建術予定の患者に対して術前の運動指導プログラムを行うことにより、術後の呼吸器合併症の低下・呼吸機能の改善・持久力の維持などがはかれるかどうかについて検証することである。対象者は神戸大学付属病院にて食道癌に対する食道再建術を施行した54名(男性44名、女性10名、平均年齢64.1±9.8歳)であった。術前治療は化学療法が30名で、食道癌の進行度を表すclinical stageはStage 0が1名、Stage Iが11名、Stage IIが20名、Stage IIIが20名、Stage IVが2名であった。本研究は当院の倫理委員会の承認を得て実施された。術前呼吸リハビリは、インセンティブ・スパイロメトリー(Coach 2)を中心としたトレーニングとし、1週間以上の呼吸リハビリを実施できた群を実施群、1週間未満もしくは実施できなかった群を非実施群とした。術後リハビリは全例手術翌日より実施した。呼吸器合併症は手術後から食事開始までに起こった呼吸不全、肺炎、無気肺とした。統計解析はx^2検定を行い、有意水準を5%未満とした。術前呼吸リハビリ実施群は30名、非実施群は24名であり、術後呼吸器合併症は実施群で2名(6.7%)、非実施群で8名(33.3%)であった(p=0.01)。食道癌に対する食道再建術施行患者において、術前より積極的な呼吸リハビリを行うことにより、術後呼吸器合併症が予防できることが示唆された。 次年度は症例集積と論文化を図ることである。
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Research Products
(5 results)