2009 Fiscal Year Annual Research Report
車いす操作ユニットの選定と個人への適合を支援する車いすシミュレータの開発
Project/Area Number |
20700463
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々木 誠 Iwate University, 工学部, 助教 (80404119)
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Keywords | 車いす / 適合支援 / 運動機能 / バイオメカニクス / 福祉工学 / シミュレータ |
Research Abstract |
車いす駆動に伴う最も深刻な問題は,身体負荷の増加や疲労の蓄積による関節筋腱板損傷や手根管症候群などの2次的障害の発症である.本研究では,これらの障害リスクを軽減し,かつ車いす使用者の行動範囲を拡大するために,個々人の運動機能に適した車いすの操作ユニット(ハンドリム式,レバー式,パワーアシスト式)の選定と操作位置の最適化を行なう車いす適合評価シミュレータの開発を目的とした.昨年度は,レバー式車いすの操作位置と生体負荷に着目した適合評価実験を実施したが,本年度は,レバー式のギア比やパワーアシスト式の補助トルクを設計するためのシミュレータ開発を行なった.研究代表者が昨年度までに開発した車いすシミュレータは,路面状況に応じた様々な走行抵抗を再現するために,パウダーブレーキを用いていたが,本年度はACサーボモータ(ダイレクトドライブモータ)を左右両輪に組み込み,操作部で検出可能な力情報をもとに車輪の回転速度を独立に制御することで,路面抵抗だけではなく,レバー式のギア比やパワーアシスト式の補助トルクの違いを表現できるようにした.また,本シミュレータを用いて設計された補助トルクを,実際の自走式車いすに実装できるよう,パワーアシスト車いすの電子回路の検討を行なった.また,車いす操作ユニットの種類やその操作位置の違いが生体に与える影響,すなわち生体負荷に着目した適合性の良し悪しについては,3次元全身筋骨格モデル(Anybody modeling system)を用いることで,より詳細かつ厳密に定量評価できるようになった.
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Research Products
(4 results)