2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700500
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
渋谷 賢 Kyorin University, 医学部, 助教 (30406996)
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Keywords | 到達運動 / 空間的注意 |
Research Abstract |
到達運動中にターゲットの不意な移動によって誘発される修正運動を用いて, 到達運動に伴う空間的注意の変化に関する3つの研究を実施した. 1) 運動中に時々左右いずれかに変化するターゲットの呈示時間を短く(8ms)した場合の修正運動および知覚を検討した. 短潜時のターゲットの呈示であっても, 被験者は新しいターゲットに向けて運動を修正できた. しかしながら, ターゲットが知覚できない試行はターゲットが到達運動を行う腕の同側半空間に移動した場合の方が反側半空間よりも多く, 最終的な到達位置も不正確であった. 2) 到達運動開始前にターゲットの左右いずれかに呈示される妨害刺激(60ms)がその後のスイッチング運動に及ぼす影響を調べた. その結果, 同側半空間への修正運動は妨害刺激が反側半空間に呈示された試行で促進した. 他方, 反側半空間への修正運動は妨害刺激の影響を全く受けなかった. 3) 最終的な到達位置の手の配置の影響を調べた. 右手の到達運動において, ターゲットを触れる人差し指を左側にむける条件と右側に向ける条件で比較したところ, これまで認められた修正運動の非対称性は左側を向ける条件では認められたが, 右側を向ける条件では認められなかった. 以上のような結果, 1) 到達運動中の空間的注意は同側半空間から反側半空間へダイナミックに変化すること, 2) その結果, 同側半空間のターゲットの知覚が低下すること, 3) ターゲットに触れる手の配置が空間的注意に影響を及ぼすことが明らかとなった.
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Research Products
(8 results)