2010 Fiscal Year Annual Research Report
高炭酸ガス吸入の特異的生理学的応答を応用したトレーニングに関する研究
Project/Area Number |
20700518
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 貴英 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (00387614)
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Keywords | 間欠的高炭酸ガス吸入 / 高炭酸ガス換気応答 / 呼吸・循環 / トレーニング / スポーツ科学 |
Research Abstract |
<目的>高炭酸ガス吸入は呼吸中枢を刺激し,呼吸・循環機能を賦活させる.この特異的生理学的応答をスポーツ科学のトレーニングに応用するために,本研究は,間欠的高炭酸ガス吸入(Intermittent Hypercapnia : IHC)が持久性アスリートの換気応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. <方法>被験者は,大学生トライアスリートである男性6名(身長:168.9cm,体重:62.2kg,年齢:20.2歳,VO2max : 60.8ml/kg/min)であった.IHCとして,被験者は1日1時間の高炭酸ガス(21%O2, 3%CO2, N2バランス)吸入を2週間行った.高炭酸ガス換気応答テストと低酸素換気応答テストを,1)IHC前,2)IHC1週間後,3)IHC2週間後,4)2週間のIHC終了から1週間後,計4回行った.また,最大運動負荷テストをIHC前後で行った. <結果>IHC2週間後,高炭酸ガス換気応答が有意に増加した(P=0.017).低酸素換気応答に有意な変化はなかった.最大運動負荷テストでは,最大換気量が153.3±23.81/minから164.3±27.11/minへ増加傾向を示した(P=0.052).最大酸素摂取量,最大心拍数,最大呼吸数,最大運動負荷,運動継続時間に差はなかった. <結論>本研究の結果から,2週間のIHCは高炭酸ガス換気応答を高め,持久性アスリートの運動時の換気能力を亢進させる可能性があると考えられる.
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Research Products
(2 results)