2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋のSIRT1発現に対するAMPキナーゼと一酸化窒素合成酵素の影響
Project/Area Number |
20700524
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
諏訪 雅貴 Tohoku Institute of Technology, ライフデザイン学部, 講師 (50464392)
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Keywords | 持久的トレーニング / ミトコンドリア生合成 / SIRT1 |
Research Abstract |
SIRT1は骨格筋においてミトコンドリア生合成や脂質代謝の亢進に関与する脱アセチル化酵素である。われわれはすでに骨格筋のSIRT1発現が-過性の持久的運動や持久的トレーニングにより増加することを確認している。一方、骨格筋のAMPキナーゼは持久的トレーニングにより活性化することや、ミトコンドリア生合成の亢進などの骨格筋の代謝特性の変化を引き起こすことから、SIRT1発現の増加にAMPキナーゼが関与している可能性がある。そこで本年度はAMPKの活性化によるSIRT1蛋白質発現の変化について検討した。AMPキナーゼ活性化剤AICARをラットに単回投与(1g/kg BM)すると、速筋線維特異的にSIRT1発現が増加した。しかし、AICARを2週間毎日投与した場合では、酸化系酵素活性の増加や糖輸送担体GLUT4蛋白質などの代謝特性の変化や、SIRT1により活性化されミトコンドリア生合成の亢進などを引き起こす転写補助因子peroxisome proliferator activated receptor gamma coactivator-lalpa蛋白質発現の増加が認められたにも関わらず、SIRT1発現に変化は見られなかった。これらの結果から、SIRT1は持久的トレーニングの初期の適応において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後、AMPキナーゼを介さない経路でのSIRT1発現の制御とミトコンドリア生合成の関連性について検討する必要がある。
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