2009 Fiscal Year Annual Research Report
親子の自発的運動習慣が家族の健康度および家族機能に及ぼす影響に関する生態学的研究
Project/Area Number |
20700547
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute |
Principal Investigator |
江川 賢一 Physical Fitness Research Institute, 研究員 (10450751)
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Keywords | 親子 / 運動習慣 / 家族機能 / 運動生態学 / ヘルスプロモーション / 主観的健康 / 身体活動 / 児童・生徒 |
Research Abstract |
21年度は初年度に実施した文献レビューの成果を踏まえて、子育て世代家族成員(親、子)の主観的健康度および家族機能の試行版評価尺度による調査を実施した。 1) 便宜集団(研究協力ボランティア)における予備的調査の実施 研究協力機関を通じて募集した親子28組を対象として、自記式質問紙を用いた試行版尺度(視覚アナログスケール:Visual Analogue Scale, VAS)による調査を実施した。VAS法による家族の主観的健康度は家族成員(回答者、配偶者、子ども)の健康度と相互に関連することが認められた(日本公衆衛生学会にて発表)。さらに標本サイズを増やした便宜集団(親子50組)において、1週間の検査・再検査法による調査を実施し、試行版尺度の信頼性について解析した。 2) 多集団における同時妥当性の検討 小学生、中学生およびその保護者を対象とした自記式質問紙による調査を実施した。回答者属性(児童・生徒、保護者)別にVAS法による家族全体および家族成員の主観的健康度の分布を集計した。児童・生徒評定尺度により評価した子どもの主観的健康度は、家族と一緒に実施する運動・スポーツの実施頻度が高いほど良好である関係が認められた(国際疫学会西太平洋地域学術会議にて発表)。さらに、保護者評定尺度により評価した家族の主観的健康度は、家族と一緒に実施する運動・スポーツの実施頻度が高いほど良好である関係が認められた。これらの知見は、これまでに家族の運動習慣と家族の健康度が関連することを示唆するものであり、学童における生態学的モデルを支持するものとして重要な知見である。 最終年度に向けて、研究協力機関を通じて地区および年齢区分による層化2段無作為抽出で実施し、保護者および年代別子ども用質問紙を郵送した(次年度回収後、解析予定)。当初計画を大きく上回るサンプル数での解析結果が期待される。
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Research Products
(3 results)