2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700578
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
生田 英輔 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 助教 (50419678)
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Keywords | 減災 / 防災 / 自然災害 |
Research Abstract |
阪神・淡路大震災における人的被害調査によると入院を伴う負傷者は家屋と家具を原因とする負傷が同程度であり、堅牢建物な住宅でも家具による骨盤や大腿骨の骨折が多いことが明らかとなった。本応募課題では、地震時の住宅内における典型的な負傷発生要因として、転倒家具による負傷を定量的に評価できるようコンピュータシミュレーションを用い、居住環境の条件(家具の種類・配置・寝具・床材など)および人体モデルの生理的指標(年齢・性別に伴う骨密度の違いや姿勢・負傷部位など)を変化させ、それぞれの条件下での負傷シミュレーションを行う。そこで得られた知見から、より安全な居住環境を見出すとともに、幼児や高齢者など災害弱者となりうる人々に対するより効果的な防災対策を提案する事を目的としている。 本年度は大腿骨表面形状デジタルデータを有限要素シミュレーションにおいて使用できるモデルへと変換し、既往研究の成果から骨の物性値を入力した。シミュレーションの形態は阪神・淡路大震災においては仰臥姿勢で就寝中に、大腿部に家具が転倒し骨折に至ったという例が典型であると考えられるので、大腿骨モデルを被衝突体として水平に配置し、上方より衝突体を落下させるものとした。大腿骨モデルは両端を支持固定し、筋肉を代替するシリコンゴムモデルを貼付した状態での衝突シミュレーションを試行した。解析によって大腿骨には応力発生の状況を再現することができた。なお、同じ形態で加速度センサーを用いた実験も実施し、実験とシミュレーションの比較が可能となっている。
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Research Products
(1 results)