2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700578
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
生田 英輔 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 助教 (50419678)
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Keywords | 減災 / 防災 / 自然災害 / 人的被害 |
Research Abstract |
阪神・淡路大震災における人的被害調査によると、堅牢建物でも家具による骨盤や大腿骨の骨折が多いことが明らかとなった。本応募課題では、地震時の住宅内における典型的な負傷発生要因として、転倒家具による大腿骨骨折の定量的評価評価手法の開発を行う。本年度は前年度に引き続き、精緻なモデルの開発を行った。具体的には、前年度は平板のシリコンゴムを筋肉の代替としていたが、より人体に近い形状で、かつ内部も緻密なソリッド要素での筋肉モデル作成を試みた。この筋肉モデル作成は次年度も引き続き行う。シミュレーションと並行して実施している加速度センサーを用いた実験に関しては、今年度は6種類の家具を用いた転倒実験を行った。この実験によると、中空のタンスのみでは骨折が発生する可能性は低いが、実際の状況と近い、衣料を入れた状態では、可能性が高い事が分かった。ディスプレイや、食器棚も高い値を示したが、それらに比較すると本棚や冷蔵庫はやや低かった。本棚は収納されている本が緩衝材となり、かつ重量が分散することで衝撃が軽減された板。一方で、同じ家具でも衝突の方向によって値の変化がみられた。このような実験結果から、家具の種類や転倒方向、内容物の検討等を行い、シミュレーションの基礎的資料を得ることができた。さらに、実際の生活状況の把握を目的として、在宅高齢者に対してアンケート調査を実施した。この調査から防災への意識と、防災への備えの現状を把握することができた。
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Research Products
(1 results)