2009 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化における新規原因物質の解明と食品による抑制効果の探索
Project/Area Number |
20700593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市 育代 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特任助教 (50403316)
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Keywords | 動脈硬化 / セラミド / 酸化ストレス / 抗酸化 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
動脈硬化における新規原因物質の探索にあたり、本年度はセラミドのde novo合成阻害剤であるイミプラミンを動脈硬化モデル動物であるアポE欠損マウスに与え、病変への影響について検討した。我々は以前、1%コレステロール添加食与えたアポE欠損マウスでは病変面積の増加とともに血漿セラミドが増加することを報告しているが、イミプラミン投与による病変面積の減少及び脂質代謝への影響は確認できなかった。セラミド産生経路にはde novo合成以外にスフィンゴミエリンからスフィンゴミエリナーゼを介して産生される経路があることから、これらの合成経路がコレステロール負荷により促進した可能性がある。今後これらの可能性については検討していきたいと考えている。 またセラミドは様々なストレスによって増加することが知られている。特に酸化ストレスの亢進は動脈硬化発症に深く関与していることが明らかとなってきていることから、昨年度は酸化ストレスの亢進がみられる四塩化炭素投与時におけるセラミド動態の変化について検討したところ、血漿や腎臓でセラミドが有意に増加していた。四塩化炭素に関して、投与時にはシクロオキシゲナーゼ2(COX2)の活性化とともに様々な炎症性のメディエーターが増加することが知られている。そこで本年度はこのような酸化ストレス亢進時のセラミド動態の変化について調べるため、COX2の阻害剤であるセレコキシブを四塩化炭素中毒モデルラットに投与した。するとセレコキシブ投与により、肝障害の指標であるATLやASTは減少し、酸化ストレスの指標でもあるビタミンCの減少も肝臓で有意に抑えられていた。また血漿においてセレコキシブを投与したラットは非投与群に比べセラミドが低値であった。これらの結果より、セラミドは酸化ストレスの亢進を伴う疾患の発症もしくはその進行に関わっていることが示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] S1P3-mediated cardiac fibrosis in sphingosine kinase 1 transgenic mice involves reactive oxygen species2010
Author(s)
N Takuwa, S Ohkura, S Takashima, K Ohtani, Y Okamoto, T Tanaka, K Hirano, S Usui, F Wang, W Du, K Yoshioka, Y Banno, M Sasaki, I Ichi, M Okamura, N Sugimoto, K Mizugishi, Y Nakanuma, I Ishii, M Takamura, S Kaneko, S Kojo, K Satouchi, K Mitumori, J Chun, Y Takuwa
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Journal Title
Cardiovascular Reserch 85
Pages: 484-493
Peer Reviewed
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