2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う脳機能の変動における女性ホルモン欠乏とGABA摂取の役割に関する研究
Project/Area Number |
20700605
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Research Institution | Ohkagakuen University |
Principal Investigator |
辻岡 和代 Ohkagakuen University, 保育学部, 准教授 (90440809)
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Keywords | γ-アミノ酪酸(GABA) / 加齢 / 脳機能 / 女性ホルモン / タンパク質合成 / ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者、特に閉経後の女性におけるGABA摂取の脳機能に及ぼす効果の解明である。最近の研究によると、脳のタンパク質合成など脳の栄養素代謝や神経伝達物質が、容易に食餌のタンパク質栄養や女性ホルモンにより変動することが判明しているが、γ一アミノ酪酸(GABA)など機能性食品成分に関する脳の研究は、栄養素代謝や、学習記憶活動については、詳細なデータが殆どない。そこで、卵巣摘出による閉経モデルラットを用いて、脳機能に及ぼす女性ホルモンとGABA摂取の影響について、平成20年度は、脳の栄養素代謝変動を明らかにするということを目的とし、大脳、小脳、海馬、脳幹のタンパク質合成速度を測定し、あわせてRNAIProtein、RNA activityを決定した。なお実験は、24週齢雌ラットを用い、Sham-operatedラット卵巣摘出ラット, 卵巣摘出+GABA摂取の3群で行った。また、試験食としてSham-operatedラットと卵巣摘出ラットは20%カゼイン食を、GABA摂取群は、20%カゼイン+0.5%GABAを10日間自由摂取させた。 その結果、脳の各部位のタンパク質合成速度は、GABA摂取により有意に増加した。一方、RNA/Proteinは、有意な差はみられなかったが、RNA activityは、GABA摂取によって有意に増加した。このことから、卵巣摘出閉経モデルラットにおいて、GABA摂取により、タンパク質合成が促進され、タンパク質合成は、RNA activityに依存していることが明らかになった。 本研究の推進は、高齢女性の脳機能に対する機能性食品成分の役割についてより深い示唆を得ることにつながり、意義があるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)