2009 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う脳機能の変動における女性ホルモン欠乏とGABA摂取の役割に関する研究
Project/Area Number |
20700605
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Research Institution | Ohkagakuen University |
Principal Investigator |
辻岡 和代 Ohkagakuen University, 保育学部, 准教授 (90440809)
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Keywords | 脳機能 / 神経成長因子 / GABA / 女性ホルモン / ラット |
Research Abstract |
研究目的:我々はこれまでに,加齢によりタンパク質合成は低下するが,食事の栄養価を改善することによってタンパク質合成が促進することを明らかにしてきた。また,γ-アミノ酪酸(GABA)を添加することによって脳機能が改善することを報告した。しかし,これまで行ってきたGABAを用いた研究は,幼若雄ラットを実験動物として用いており,我々の研究を還元できる範囲としては,若年層の男性に限られてしまう。ところが,加齢に伴う機能の低下は男性特有のものではない。特に閉経を迎えた女性の体機能の調節は大きな社会的関心事のひとつであるにもかかわらず,閉経後の女性を視野に入れた脳機能の調節において,機能性食品成分の1つであるGABAがどのように関わっているのか詳細に検討した報告は国内外にも認められない。 そこで本研究では,卵巣摘出による閉経モデル雌ラットを用いて,脳機能に及ぼす女性ホルモンとGABA摂取の影響について明らかにすることを目的とし,今年度は、学習、記憶の神経活動において重要なコリン作動性ニューロンの調節因子として知られている神経成長因子(NGF)について、大脳、海馬で検討した。 飼育方法:24週齢雌ラットを用い,Sham-operatedラット,卵巣摘出ラット,卵巣摘出+GABA摂取の3群で試験食を10日間与えた。試験食としてSham-operatedラットと卵巣摘出ラットは20%カゼイン食を,GABA摂取群は,20%カゼイン+0.5%GABAを摂取させた。 結果:大脳,海馬のNGF量は、20%カゼイン食摂取群に比べGABA添加食摂取で有意に増加した。従来からも、コリン作動性ニューロンの神経伝達物質であるアセチルコリンの合成や、ニューロンそのものの維持にNGFが寄与することが報告されており、閉経女性における脳機能の維持においてGABA摂取の重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)