2009 Fiscal Year Annual Research Report
使用済みボールペンを利用した手作り濁度計の教材開発
Project/Area Number |
20700622
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
江口 啓 Shizuoka University, 教育学部, 准教授 (00321521)
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Keywords | 科学技術教育 / ものづくり / 比色計 / 福祉工学 / 環境教育 / 再利用教育 / 色覚異常 |
Research Abstract |
本研究においては、試験水の変色の度合いを電子的な数値に変換する手作り比色計の教材開発を平成20年度より行ってきた。本研究の目的は、生徒による比色計の製作ならびに、その手作り比色計を利用した水質調査を通じて、色覚異常というハンディキャップを背負った児童・生徒にも"地域に根ざした環境学習"を体験できるようにすることである。本年度において得られた研究成果は、以下の通りである。1.提案する比色計の設計の妥当性を検証するために、比色表では測定が困難な中間濃度の試験水の場合でも、提案の比色計を用いることで濃度値の測定が可能であることを実験によって検証した。色覚異常者を含む12名の被験者を対象とした実験の結果、提案の比色計によって得られた測定電圧値は、全ての被験者においてほぼ一定の値を示し、ばらつきの少ない値であった。このことより、色覚異常の生徒が水質調査を行う際の支援ツールとして、提案の比色計が有効であることが検証できた。2.教材としての有効性を確認するために、11名の大学1年生を対象とした実践授業を行った。本実践授業において、半田付けの経験がない受講学生が比色計の作製に要した時間は3時間であることから、小・中学校の理科や技術・家庭科の授業時間で、提案教材を十分に作製可能であることが明らかとなった。また、授業アンケートの結果、提案の比色計の作製を通じて、環境教育のみならず、"ものづくり"や電気の基礎的な知識を学習できることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)