2008 Fiscal Year Annual Research Report
GISを援用した環境負荷軽減のための都市再生政策に関する地理学的研究
Project/Area Number |
20700671
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 耕市 The University of Tokushima, 総合科学部, 准教授 (20372716)
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Keywords | 環境政策 / 地理情報システム / 都市計画・建築計画 |
Research Abstract |
平成20年度は, 東京を主に対象として, 現行の都心再生政策のもと推進されてきた都心集積を定量的に測定して, その要因を土地利用転換の視点から解明した. また, 温暖化ガス排出量を抑制する環境負荷軽減のための交通のあり方を検討するために, 交通地理学分野のこれまでの研究成果と現在の課題について展望した. 東京都の全建築物のデジタルデータをはじめ, 国勢調査や事業所・企業統計調査, 都市計画関連法令, 同区域設定などに関する資料を収集して, 都心再生特別地区等における都市密度の変化に関する現地調査を実施した. 建築基準法の改正等に基づく容積率緩和が続いた1990年代以降の東京都心においては, 事務所建築物および集合住宅ともに, 建物数の増加率よりも建物面積や延床面積の増加率が高かった. 事務所建築物の密度は都心3区において著しく高く, 1990年代も事務所建築物の建設が継続して, その集積傾向は強まっていった. 同時に, 商業・業務地区からの集合住宅への転換も増加して,都心への人口流入の大きなプル要因となった. 集合住宅の密度の推移は, 23区の東西によってその特徴を異にした. 従来から住宅地としての性格が強かった西部においては, 延床面積よりも建物面積の密度の高さが目立ち, 低層ながらも多数の集合住宅が立地していた. 一方, 東部においては延床面積の密度が急上昇した箇所が散見され, 工業用地や密集住宅から高層集合住宅の土地利用転換が多くみられた. このような都市空間の高密度化に地域的差異が現れた要因には, 既存の土地利用とそれに付随する都市計画法や建築基準法など建物に関する基準が深く寄与した.
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Research Products
(2 results)