2009 Fiscal Year Annual Research Report
GISを援用した環境負荷軽減のための都市再生政策に関する地理学的研究
Project/Area Number |
20700671
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 耕市 The University of Tokushima, 徳島大学大学院・ソシオアーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (20372716)
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Keywords | 環境政策 / 地理情報システム / 都市計画・建築計画 |
Research Abstract |
本研究の目的は,欧州都市モデルを導入した日本の都市再生政策の問題点を提起して,経済活性化と環境負荷軽減を両立させる日本型の都市再生政策の構築を目指すことである.そのために,GIS(地理情報システム)を援用しつつ,事業所や住居の集積が経済活性化と環境負荷軽減の効果をもたらすメカニズムを実証的に解明する. 平成21年度は,前年度に進めた東京大都市圏を対象地域とした分析結果を踏まえて,大阪市および名古屋市を中心とする都市圏における分析を主に進めた.建築物のデジタル空間データをはじめ,国勢調査や事業所・企業統計調査等の社会経済的指標となる統計データ,都市計画関連法令,同区域設定などに関する資料を収集して,都市再生特別地区を含む都心における都市密度の変化に関する現地調査を実施した.そして,都心への事業所の集積による事業所間の対面接触活動に関わる経済的・環境的コストの変化の定量的測定を試みた.さらに,GISのネットワーク分析を活用しつつ,事業所や人口の空間的分布の変化から生じた通勤流動の変化(通勤距離や通勤者数)を明らかにして,温室効果ガス排出量をベースとする環境負荷軽減量の測定を試みた.また,環境負荷軽減のための公共交通サービスが抱える問題と課題について検討を加えた.そのほか,他の海外大都市と比較しつつ,グローバルネットワークの視点から,世界都市としての東京における都市構造と都市再生政策の問題点を考察した.
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