2008 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂粒子表面において生成するニトロ化多環芳香族炭化水素の反応機構と環境動態の解明
Project/Area Number |
20710003
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
亀田 貴之 Kanazawa University, 薬学系, 助教 (50398426)
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Keywords | 黄砂 / 多環芳香族炭化水素(PAH) / ニトロ化PAH / 大気内反応 / 二次生成 / 越境輸送 |
Research Abstract |
本研究は, 黄砂表面における多環芳香族炭化水素(PAH)とガス状物質との反応, とりわけ強変異原性ニトロ化PAH(NPAH)の非意図的生成に関わる反応について模擬大気実験系を用いた実験を行い, 黄砂表面が関与する大気内NPAH生成反応過程を明らかにするとともに, 実大気観測によって長距離輸送中の黄砂表面におけるNPAH生成の実態を明らかにすることを目的とする。 本年度はまず, 黄砂表面におけるPAHの反応を検討するための反応実験チャンバーを構築した。そして, 黄砂粒子をテフロンコーティングを施したフィルター上に保持させ, 代表的なPAHとしてピレンを黄砂に担持させて反応実験に供した。反応として, まずはNO_2との気-固不均一反応を検討し, PAHの減少と対応するNPAHの生成を経時的に追跡した。ピレン濃度の測定は蛍光検出HPLCを, 生成NPAH濃度の測定はGC/MSを用いてそれぞれ行った。 その結果, フィルターに直接担持させたピレンとNO_2との反応は非常に遅く, 10時間の反応後も生成物はほとんど検出されなかったのに対して, 黄砂上に担持させたピレンからは生成物として1-ニトロピレン(1-NP)を検出した。生成1-NPの濃度は反応時間2時間で最大となり, その後徐々に減少した。一方, 反応開始4時間後からジニトロピレンの生成も確認され, その濃度は6時間の反応後最大に達した。これらニトロピレンの生成は, 黄砂粒子の触媒作用により加速されたものと推察される。
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Research Products
(5 results)