2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気二酸化炭素濃度の増加が炭酸カルシウム合成生物に与える影響の解明
Project/Area Number |
20710008
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
栗原 晴子 University of the Ryukyus, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 特命助教 (40397568)
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Keywords | 酸性化 / 温暖化 / 炭酸カルシウム / 二酸化炭素 / バイオミネラリゼー / 石灰化生物 / ウニ |
Research Abstract |
本年度は、酸性化及び温暖化が炭酸カルシウム合成生物に与える影響を解明する事を目的に、バフンウニの卵を、今世紀末に予測されるCO2濃度および温度条件下にて飼育を行い、骨片の形成を開始するプリズム期、および骨片の発達するプルテウス幼生期まで発生させた。各条件下で飼育した胚からRNAを抽出し、ランダムプライマーを用いて逆転写し、骨片形成に関わる遺伝子として知られる、SM30およびSM50の発現をRT-PCR法により検討を行った。 結果、少なくともこの2種の遺伝子に関しては実験区、対照区間において有為な発現量の差は見られなかった。したがって、さらにCa2+の輸送に関わる事で知られている遺伝子、MSP130のプライマーの設計を行った。また幼生の骨片形成への影響を形態学的に明らかにするため、光学顕微鏡ならびに偏光顕微鏡により観察を行った結果、CO2の増加が骨片形成を抑制させる事が明らかとなった。 さらに、ウニだけではなく、ムラサキガイを用いて、高CO2海水下にて卵を飼育し、初期発生ならびに殻形成への影響を探った結果、CO2濃度の増加が殻の形成異常を引き起こし、初期発生に大きく影響する事が明らかとなった。
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Research Products
(9 results)