2009 Fiscal Year Annual Research Report
海域底生生物の生息状況を簡易に観測する計測器の開発
Project/Area Number |
20710029
|
Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
渡部 守義 Akashi National College of Technology, 都市システム工学科, 講師 (00390477)
|
Keywords | モニタリング / テッポウエビ類 / 浅海域 / 水中音響 |
Research Abstract |
浅海域底層の生物環境の良否を簡易に評価する指標として、世界中の海に生息する特徴的なパルス音を終始発しているテッポウエビに着目した。誰でも簡単に使うことのできるテッポウエビ類のパルス数を計測する携帯型の計測器を開発し、その実用化を目指すものである。 1 携帯型パルス数計測器のための計測アルゴリズムの確立と最適設計 海中に存在する雑音の中でもテッポウエビ類のパルス音に類似すると考えられるアサリやカニによる二枚貝の摂食音との周波数や音の継続時間、波形の特徴について解析を行った。この結果、それぞれの音には特徴があり、判別できる可能性があることがわかった。しかし、水中音響のサンプリングレートを高くするなどしてより解析の精度を上げる必要がある。 2 携帯型テッポウエビ類パルス数の計測器の製作 携帯型のパルス計測器(以降、テッポウエビカウンターと記す)の開発を行った。本装置を用いれば、現地でテッポウエビカウンターに水中マイクを接続し、計測ボタンを押すだけでパルス数(回/分)を表示することができる。テッポウエビカウンターは、基本的に従来方法で用いられた雑音除去フィルター機能とパルス計数アルゴリズムを適用させ、パルス数判定のパラメータを調整する機能を追加している。 3 測定条件明確化のための海域調査と既存の環境指標生物との関係の明確化 パルス計測器を用いて、テッポウエビ類の生息北限を探査するために北海道の沿岸部の観測を実施した。この結果、日本最北端の稚内市宗谷岬でもテッポウエビ類のパルス数を観測することができた。
|
Research Products
(1 results)