2008 Fiscal Year Annual Research Report
直流及び交流磁場を併用した原子力発電プラント内の鋼管減肉モニタリング検査
Project/Area Number |
20710128
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 雄治 Oita University, 工学部, 准教授 (00373184)
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Keywords | 電磁非破壊検査 / マイナーループ磁気特性 / ヒステリシス曲線 / 三次元電磁界解析 / 渦電流探傷試験 / 鋼材 / 裏面欠陥 / 直流・交流合成磁界 |
Research Abstract |
検査鋼管のヒステリシス磁気特性・導電率の測定 検査対象とした鋼管材料のヒステリシス磁気特性および導電率の測定を行った。ヒステリシス磁気特性に関しては、最大で1.3Tまでの磁束密度の測定が行え、この最大磁束密度までの間の20パターンにおけるヒステリシス曲線の測定を行った。また、導電率に関しては、ダブルブリッジ低抵抗測定回路を使用し、試験鋼管と同じ材料で9φ×2mの冷間圧延鋼材の平均的な導電率の測定を行った。 マイナーループを考慮した三次元磁界解析法の開発 ここでは、六面体辺要素の有限要素法を使用した三次元交流非線形渦電流解析プログラムをベースとし、実測で求めた鋼管のヒステリシス曲線(メジャーループ)を用いてマイナーループを求める非線形磁界解析法の開発を行った。本研究では、マイナーループの上側曲線を点対称で折り返してマイナーループの下側曲線を導き出す手法を採用した。この結果、有限要素法のメッシュ分割数が40000要素程度のモデルの場合、メモリ使用量が1.5GB程度を必要とすることが分かった。 検証実験モデルの作成と基礎的実験 本開発プログラムが実測値に合うのかについて検討を行うための検証用実験装置の作製を行った。また、基礎実験として、厚み3mm鋼板の裏面に深さ1mm、幅0.5mmのスリット状の溝を掘り、その溝を表面から直流磁界と交流磁界を併用して検出が行えるかの基礎的実験を行った。その結果、直流励磁電流3A、交流励磁1kHz、0.5A(rms)の磁化条件で、検出が可能であることを確かめた。 次年度は、本開発プログラムと検証実験による比較検討を行い、開発プログラムの有用性を確認した上で、本検査手法の現象解明を詳細に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)