2010 Fiscal Year Annual Research Report
直流及び交流磁場を併用した原子力発電プラント内の鋼管減肉モニタリング検査
Project/Area Number |
20710128
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 雄治 大分大学, 工学部, 准教授 (00373184)
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Keywords | 電磁非破壊検査 / マイナーループ磁気特性 / ヒステリシス曲線 / 三次元電磁界解析 / 渦電流探傷試験 / 鋼材 / 裏面欠陥 / 直流・交流合成磁界 |
Research Abstract |
本検査手法は、原子力発電所の2次系鋼管の裏面欠陥を鋼管表面から電磁気現象で検査する新しい技術の開発である。鋼管表面より非接触で直流磁界を加え、さらに交流磁界を印加し、鋼管肉厚部における微分透磁率の変化を検出コイルの誘導電圧で検出する。本年度は、本提案検査手法の現象解明と、実用的な検査における最適な条件の検討を行った。 1.裏面欠陥深さが検出信号に与える影響 裏面欠陥の幅と長さは一定に保ったまま、深さのみを変化させた場合、検出コイルに鎖交する磁束密度の変化について解析を行なった。その結果、裏面欠陥の深さが深くなるにつれて磁束密度の振幅がほぼ直線的に低下することが分かった。これは欠陥深さが深くなると、鋼材表面から裏面欠陥までの間を通る直流磁束が密になり、磁気飽和に近づき、交流磁化器からの交流磁束の浸入量が減るためだと考えられる。一方、裏面欠陥の深さが増しても、励磁電流波形に対する検出された磁束密度波形との位相差は、あまり変化しない事が分かった。これは本手法の場合、交流磁化器から発生する交流磁束や、それによって生じる渦電流は裏面欠陥に到達する訳では無いため、大きな位相差は生じない事が理解できる。 2.実用的な検査手法の検討 ここでは実際の原子力発電所で本提案検査手法が適用できるかについての検討を行った、具体的には、長時間、本提案プローブで検査を行った場合、コイルの発熱が検査制度の及ぼす影響等の検討を行った。その結果、検査時間による検出誤差はわずかに数%程度であった。本手法は直流励磁を使用するため、鋼管の外面に配置するだけで電磁力の吸引力が働き、位置固定も容易な事から、状態監視検査センサとして十分使用可能であると考えられる。
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Research Products
(6 results)