2009 Fiscal Year Annual Research Report
強化現実(AR)を用いた作業マニュアルの実用化に向けたヒューマンファクター的研究
Project/Area Number |
20710130
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中西 美和 Chiba University, 大学院・工学研究科, 講師 (70408722)
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Keywords | Augmented Reality / ヒューマンファクター / 作業マニュアル |
Research Abstract |
本研究では、透過型HMD(Head Mounted Display)を用いて実視野に電子情報を重ね合わせる技術、強化現実(AR : Augmented Reality)を製造・保守等の現場で利用される作業マニュアルに応用する可能性について、ヒューマンファクター的視点から検討した。特に、現場では様々なタスクが複合的に存在することに着眼し、タスクの特性によってARによって与えるマニュアル情報(ARマニュアル)の有用性がどのように異なるのかを明らかにすることを目的とした。 前年度までに、1)現場作業の調査、2)タスク及びマニュアル情報の特性分類、3)ARマニュアルの制作と模擬タスクのデザイン、4)実験1(タスクの特性×マニュアル情報の特性とARマニュアルの有効性の検討)の実施と分析、を行った。本年度は、5)実験2(ARマニュアルの提示形式が作業者の行動・生理・心理に与える影響の検討)の実施と分析、6)ARマニュアルの実用化に関するガイドライン作成、を行った。実験1では、タスクの特性をRasmussenのSRKモデルに基づいて3種類に、マニュアル情報の特性を基盤的情報と状況的情報の2種類に分類した。3×2=6条件で、透過型HMD(網膜走査ディスプレイ)を媒体としてマニュアル情報を与え、PC上に実装したタスクを遂行する実験を行った。得られた操作ログより、タスクの精確さと効率を指標として、各条件におけるARマニュアル適用の有効性をガイドラインとしてまとめた。実験2では、マニュアル情報の与え方が作業者に与える影響に焦点を当て、ARマニュアルが与える情報デザインのガイドライン化を試みた。特に、実視野の視覚的な複雑さに応じてARマニュアルが与える情報の量を最適にする方法を、実験と数理モデリングによって与えた。 なお、これらの内容は、国内外の学会で報告すると共に、国際的なジャーナルに投稿済みである。
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Research Products
(7 results)