2008 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア華人の再移民と中国・香港・台湾-バンカ・ブリトゥン州を起点に-
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20710187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 由美 Kyoto University, 東南アジア研究所, 助教 (70335214)
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Keywords | インドネシア / 華人 / 帰国華僑 / 再移民 / 移動 |
Research Abstract |
本研究は、1950年代以降におけるインドネシア華人の再移民の実態を捉えることを目的としている。グローバル化が進み中国のプレゼンスが増す現代社会において、世界最多の華人人口を抱える東南アジアから中国への再移民は、中国から東南アジアへの新移民同様、中国と同地域の関係性を理解する上で重要なファクターである。本研究は、バンカ・ブリトゥン州出身者をはじめとするインドネシア華人が中国・香港・台湾へ再移民し、生活し、新たなネットワークを形成する過程を実証的に検証することで、インドネシアをはじめとする東南アジアにおける国家・制度・人の重層性と中国のプレゼンスを歴史的・地理的に解明することが最終目的である。 初年度である本年度は、文献調査に加え、インドネシアへの移民を数多く送り出している中国南部の福建省の永定県および厦門市、広東省の〓州市において、移民の歴史に関する予備調査を行った。また香港にて、1950年代以降に帰国したインドネシア移民についても予備調査を行った。さらに、インドネシアから中国への帰国華人とインドネシア華人の現在の関係を調査する布石として、インドネシアにおける中国寺院や華人の宗教組織で聞取りを行い、1998年の民主化以降の両者の交流を調査した。 これらの成果は、東南アジアの華人をテーマとした国際研究集会"Joint International Workshop on Chinese Identities and Inter-Ethnic Coexistence and Cooperation in Southeast Asia"における発表および、共著図書『多言語社会インドネシア』における論文「ジャカルタ言語景観における中国語使用と変化のきざし」やその他の投稿論文などに反映されているが、今後さらに深めていく予定である。
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Research Products
(4 results)