2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720023
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
今井 祐子 University of Fukui, 教育地域科学部, 准教授 (00377467)
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Keywords | 美術史 / 陶磁史 / フランス文化史 / ジャポニスム / 日仏文化交流史 |
Research Abstract |
1、平成20年度の調査では下記の事項を確認し、目下それらの研究成果を報告するための論文を執筆中である。 (1) シャンフルーリによる「フランス革命の陶器」に関する研究内容 フランス革命の陶器の絵付けにみる「自由の木」や「自由の帽子」などのシンボルや「平等」「祖国」などの文字が、日常生活の領域で展開された革命期の政治闘争の高揚や当時の民衆の心性を把握するための歴史資料となりうる点を、シャンフルーリが重視していたことを確認した。 (2) シャンフルーリが受理した書簡の調査 パリ装飾美術館図書館所蔵「シャンフルーリ関連資料」に含まれる、シャンフルーリに宛てられた書簡の解読により、1858年から1865年にかけてヌヴェールの商人(Barat)から、シャンフルーリがフランス革命の陶器を購入していた事実を確認した。 (3) 同時代の新聞記事に関する調査 パリ装飾美術館図書館所蔵「シャンフルーリ関連資料」に含まれる、シャンフルーリに関する当時の新聞記事の調査により、『革命期における愛国的なファイアンスの歴史』を著した1867年から1870年代にかけての間に、シャンフルーリの陶器研究に対する評価および収集家、陶器研究家としての彼の知名度が高まっていったことを確認した。
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