2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代スペクタクル映画におけるCGI表現に関する映画史横断的研究
Project/Area Number |
20720037
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石田 美紀 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70425007)
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Keywords | 身体 / 声 / 複製技術 / アニメーション / CGI |
Research Abstract |
本研究は、いかにもデジタル時代の特徴と受け止められている事象であるCGIと実写映像の融合について、歴史的起源を探ると同時に、その特性を領域横断的視点から検証することを行ってきた。最終年度にあたる本年度は、映画における身体表象の構成要件である身体と声の乖離と融合に改めて着目し、以下の3つの歴史的先行例と、現行のCG技術表現における問題を照合させて分析・考察した。 1・トーキー移行期(1920年代末から1930年代)のアメリカ・アニメーション映画におけるキャラクター演出と声 2・蓄音機に端を発する音響複製技術における声と主体の問題 3・トーキー時代からCG時代への移行におけるスターダムの形成と技術的変遷 上述の3つのトピックを包括的に論じる発表「<声>と<声もどき>-複製技術時代の主体」(国際シンポジウム<声>の制度-継承・障害・侵犯-、2011年9月16日、新潟大学人文学部)を行い、文学および歴史学の専門家である他のパネル参加者との討議を通して、スターという特権的な身体に注がれる欲望のあり方が今後取り組むべき課題であることが明らかになった。また、同シンポジウムの討議を加味して、発表原稿を加筆訂正し「<声>と<声もどき>-複製技術時代の主体」を同シンポジウム抄録集に収めた。
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Research Products
(1 results)