2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
正木 喜勝 Osaka University, 大学院・文学研究科, 助教 (80456938)
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Keywords | 日本近代演劇 / 上演分析 |
Research Abstract |
本研究は,大正末期から昭和初年にかけて東京で活動した劇団「心座」の実態を、「上演」という側面から捉え直すことを目的としているが、本年度は、まず昨年度同様その土台となる資料収集を行い、そののち上演分析にあたった。具体的には、村山知義と舟橋聖一の上演作品を中心に再構築した。 村山知義の上演作品の分析からは、「アヴァンギャルド」から「プロレタリア」へという思想上の転換が、いかに上演に現れたかということを明らかにすることができた。この成果は、論文「「転換期」村山知義の戯曲」(『季論21』(季論21編集委員会)発行第6号)および論文「カリカチュアの演技とその機能」(『演劇学論叢』(大阪大学大学院文学研究科演劇学研究室発行)第11号)として発表した。 また,舟橋聖一の上演作品については、現代では心座時代の彼の活動についてほとんど等閑に付されており、一次資料を収集することからはじめる必要があった。そして、彼の心理劇の特質、およびその制作背景にある岩野泡鳴の一元描写論などとの関連について考察することができた。この成果は、口頭発表「舟橋聖一と演劇-「心座」を中心に」(近現代演劇研究会京都集会、2010年3月21日、京都府立芸術文化会館)として発表した。
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Research Products
(3 results)