2009 Fiscal Year Annual Research Report
多肢選択式リスニングテストにおける質問文と選択肢の提示様式が聴解に与える影響
Project/Area Number |
20720150
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
飯村 英樹 Tokiwa University, 国際学部, 准教授 (30382831)
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Keywords | 英語リスニング / 多肢選択式テスト / テスト形式 / 提示様式 / テストの妥当性 |
Research Abstract |
3か年計画の2年目にあたる平成21年度は,(1)平成20年度に作成した予備テストを実施・分析し,外国語教育メディア学会に投稿し受理され(2010年5月に発行予定),(2)本実験のための更なる予備実験の実施・分析を行い,その結果を論文としてまとめ,日本言語テスト学会への投稿を準備し,(3)本実験を作成,の3点を行った。 (1)では,約40名の日本人大学生を対象に,質問文と選択肢の提示モードを文字に固定し,提示時期のみ異なる4つの形式のリスニングテストを実施した。実験の結果,質問文と選択肢を事前に提示する形式の正答率が最も高かった。この結果は,先行研究と一致するが,効果量を見る限り,4つの形式には難易度の差はあまりないと言える。したがって,多肢選択式リスニングテストにおいて聴解に影響を与えるのは,提示時期よりも提示モード(文字か音声か)である可能性が示唆された。 (2)では,(1)の実験結果を踏まえ,提示モードを音声に固定した場合のテスト形式の妥当性を検証する実験を行った。2つのテスト形式の提示順序は,(1)質問文・本文・選択肢,(2)質問文・本文・質問文・選択肢となる。実験の結果,正答率・信頼性・弁別力・実質選択肢数等の項目分析の結果,2つの形式には大きな差が見られなかった。したがって,本実験では,(1)のテスト形式を採用する。 (3)以上の結果を踏まえ,本実験では,以下の4つの形式を比較することに決定した。(1)質問文・選択肢とも文字で事前提示,(2)質問文は文字で事前・選択肢は音声で事後,(3)質問文は音声で事後・選択肢は文字で事前,(4)質問文は音声で事前・選択肢は音声で事後に提示する。他大学の英語教員の協力を得て,現段階で200名を超える受験者を確保している。
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