2010 Fiscal Year Annual Research Report
多肢選択式リスニングテストにおける質問文と選択肢の提示様式が聴解に与える影響
Project/Area Number |
20720150
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
飯村 英樹 常磐大学, 国際学部, 准教授 (30382831)
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Keywords | 英語リスニング / 多肢選択式テスト / テスト形式 / 提示様式 / テストの妥当性 / テスト得点の等化 / 発話プロトコル |
Research Abstract |
3か年計画の最終年度にあたる平成22年度は、これまでの予備的研究の結果を踏まえて、多肢選択式リスニングテストの質問文と選択肢の提示様式として、時期(本文の前後)と提示モード(文字か音声)の両方に焦点を当てて、聴解に与える影響を量的・質的の両面から検証した。 実験で用いた4つの形式は以下の通りである。(1)質問文・選択肢とも文字で事前、(2)質問文は音声で事後・選択肢は文字で事前、(3)質問文は文字で事前・選択肢は音声で事後、(4)質問文は音声で事前、選択肢は音声で事後に提示する。 量的研究では、日本人大学生200名強を4つのグループに分け、4つのテスト形式のいずれかを割り当てる被験者間実験計画によるテストを実施した。実験の結果、(1)と(3)の形式の得点が統計的に有意に高かった。ラッシュモデルによる等化後、回帰分析を行ったところ、質問文を音声で提示することがテストの得点に影響を及ぼすことが分かった。このことから、日本人英語学習者の文字依存の傾向が明らかになった。また等化後の得点とテキストの長さや難易語数、発話速度などとの相関分析を行い、提示様式以外の聴解に影響を与える要因も明らかにした。 質的な研究としては、日本人大学生28名を対象に被験者内実験計画による発話プロトコルを実施した。実験の結果、質問文と選択肢の提示様式の違いは、学習者の熟達度に関わらずリスニング及びテストテイキング・ストラテジーに影響を与えると同時に、学習者は熟達度の違いによって一定のストラテジーを用いることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)