2008 Fiscal Year Annual Research Report
象徴天皇制の思想的基盤に関する研究-知識人による天皇制構想を中心として-
Project/Area Number |
20720169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河西 秀哉 Kyoto University, 大学文書館, 助教 (20402810)
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Keywords | 象徴天皇制 / 天皇制 / 天皇像 / 知識人 / ミッチー・ブーム |
Research Abstract |
2008年度は、象徴天皇制の思想的基盤について、戦前の問題を中心に史料収集と分析を進めた。以下が成果である。(1)大正デモクラシー期の代表的知識人である吉野作造の天皇制・国体に関する構想を考察した。これについては、論文の執筆を行い、学術雑誌に投稿中である。(2)大正デモクラシー期の様々な天皇制論の収集に努めた。特に、ジャーナリストの長谷川如是閑の皇太子教育論を発掘し、その論の前提となる彼の国家論についての再検討を試みた。その過程で収集した史料を元に、彼の「大学自治」論に関する論文を『京都大学大学文書館研究紀要』に執筆した。(3)戦時期から敗戦直後の天皇制に関する研究の分析を、国立公文書館蔵史料、外務省外交史料館蔵史料、『矢部貞治日記』や『高木惣吉日記と情報』、『木戸幸一日記』から進めた。これについては現在、論文の執筆を進めている。この他戦後についても、史料収集と論文執筆に取り組んだ。(4)戦後の退位論を、国立国会図書館憲政資料室蔵「プランゲ文庫」などから網羅的に収集した。来年度、この史料の詳細な分析と論文の執筆を予定している。(5)ミッチー・ブームについて、知識人の言説なども含め、その前提と反応を分析し、論文「象徴天皇制・天皇像の定着-ミッチー・ブームの前提と歴史的意義」として『同時代史研究』に公表した。
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Research Products
(2 results)