2008 Fiscal Year Annual Research Report
古都・長安の"再"発見-足立喜六著『長安史蹟の研究』を中心に
Project/Area Number |
20720189
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
村松 弘一 Gakushuin University, 東洋文化研究所, 准教授 (70365071)
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Keywords | 中国古代 / 古写真データ / 都市の変化 / 古都 / 長安 |
Research Abstract |
本年度は以下の点について研究をすすめた。 (1)西安古写真のデータ収集および撮影 本研究が基礎とする足立喜六『長安史蹟の研究』に所載されている西安の古写真のほか、等日本人学者による旅行記、西北芸術考察団の王子雲によって撮影されたる写真およびスケッチ、朝日新聞等データベースの古写真等およそ500枚をスキャンし収集・整理した。また、西安市の碑林等にて古写真と同アングルからの撮影をおこなった。 (2)近代西安の文化財保護について 古写真に見られる文化財の近代における保護状況について検討するため、『西安碑林史』等の資料で碑林から陜西省歴史博物館開設に至る経緯について整理した。その過程で、西京籌備委員会に関する档案資料集を入手した。資料の分析から上海事変以降、西安が西京陪都として位置づけられ、西安での道路整備・遺跡保護・植林活動・学校建設などを西京籌備委員会がおこなったことがわかった。この過程のなかで、それまでの孔子廟内の碑林が西安附近の石碑を収集・保管する機関、すなわち博物館へと変貌する。それは1938年3月の張鵬一撰文「重修西安碑林記」に記された整理西安碑林工程監修委員会委員の筆頭に西京籌備委員会委員長・張継の名が見られることからも想定できる。このため、西安碑林所蔵の石碑目録を順次収集し、その所蔵内容・展示の位置などの比較もすすめている。また、次年度以降は、近代に西安から海外へと流出した文化財についての資料を収集し、その過程と石碑収蔵庫としての博物館の整備との関係を探る予定である。
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Research Products
(3 results)