2009 Fiscal Year Annual Research Report
市民的自由の保障と難民・移民の人権の観点から考えるイギリスの対テロ法政策
Project/Area Number |
20730005
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
清末 愛砂 Shimane University, 男女共同参画推進室, 講師 (00432427)
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Keywords | 市民的自由 / 対テロ法 / 難民 / 移民 / イスラーム・フォビア / 国際情報交換 / イギリス |
Research Abstract |
平成21年度は、一年目に2回にわけて実施した英国でのフィールドワーク(資料収集、人権団体やムスリム団体でのインタビュー)や日本国内での文献調査から得られたデータをもとに研究課題に関する分析を行った。英国の対テロ法の変容に関しては法政策の視点から、また社会に台頭するイスラーム・フォビアに関しては社会学の観点から考察した。最終的にはそれらをまとめたものを、日本平和学会2009年度春季研究大会(2009年6月13日~14日)の自由論題部門(審査を経て、発表者として採用)において、「9.11以降のイギリスの対テロ法とイスラーム・フォビアの台頭-宗教差別・レイシズム・市民的自由の観点から-」と題して、発表することができた。本発表では、討論者や参加者から、欧州人権条約に関する示唆深いコメントやその他の質問をもらうことができ、これらをその後の論文化の作業にいかすことができた。 日本平和学会での研究発表の後に論文の執筆を行った。その結果が「9.11&7.7以降の英国の対テロ法の変容とイスラーム・フォビア-宗教差別とレイシズムの相乗効果(上)」として題して、『国際公共政策研究』(大阪大学大学院国際公共政策研究科、第14巻第2号、17-28頁)に掲載された。本論文では、日本平和学会での発表の前半で示したイスラーム・フォビアの定義や形態、9.11・7.7以降の英国におけるイスラーム・フォビアの状況、ジェンダー差別とイスラーム・フォビア、英国のムスリム・コミュニティーズの形成等を議論した。英国の対テロ法の変遷とイスラーム・フォビアの連関性に関しては、上記の論文の続きとなる「9.11&7.7以降の英国の対テロ法の変容とイスラーム・フォビア-宗教差別とレイシズムの相乗効果(下)」のなかで、議論する予定である。
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Research Products
(2 results)