2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際規律と憲法-人権・環境・安全をめぐる国際協力と憲法的対応の総合的研究-
Project/Area Number |
20730025
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
齊藤 正彰 Hokusei Gakuen University, 経済学部, 教授 (60301868)
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Keywords | 公法学 / 国際法学 / 憲法 / 条約 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は、人権・環境・安全の3領域に注目して国際規律の形成と実施の具体的な状況を明らかにしつつ、「国際規律と憲法の関係」を総合的に考察することを目的とする。 本年度は、国際人権法についてのこれまでの研究成果を踏まえつつ、国際機関による規範形成・解釈形成と日本国憲法および国内裁判所の対応へ検討を拡大し、また、日本政府が問題とする条約機関の判断と「司法権の独立」の関係についても比較法的考察を進めるという当初の研究計画に基づき研究を進め、憲法・国際法・国際人権法についての資料・文献文献を収集・検討した。国際人権法による規律の拡大・高度化を考える上で看過できないヨーロッパ人権条約に関して、ヨーロッパ人権裁判所の判例研究を掲載した判例集が公刊された(戸波江二ほか編『ヨーロッパ人権裁判所の判例』に掲載の齊藤正彰「マッカン判決」194-198頁および同「コキナキス判決」379-383頁)。あわせて、憲法と国際法の関係を考える上でも重要な論点である集団的自衛権に関して検討を行った(ジュリスト増刊『憲法の争点』62-63頁に収録の齊藤正彰「集団的自衛権」)。 なお、他の用務または研究経費での出張の機会を活用して文献収集を行ったため、本研究費からの旅費の支出を抑え、その分を図書等の購入に充てることで研究経費の有効活用をはかることができた。
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Research Products
(2 results)