2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際規律と憲法―人権・環境・安全をめぐる国際協力と憲法的対応の総合的研究―
Project/Area Number |
20730025
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
齊藤 正彰 Hokusei Gakuen University, 北星学園大学・経済学部, 教授 (60301868)
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Keywords | 公法学 / 国際法学 / 憲法 / 条約 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は、人権・環境・安全の3領域に注目して国際規律の形成と実施の具体的な状況を明らかにしつつ、「国際規律と憲法の関係」を総合的に考察することを目的とする。 本年度は、中心的な対象として、発達した締約国会議の存在が指摘され、その法形成機能が国際規律の形成・実施の先端的事例として看過できない地球環境条約のしくみについて検討するという当初の研究計画に基づき研究を進め、憲法・国際環境法・国際機構法についての資料・文献文献を収集・考察した。また、国際機構による国際規律の増大・高度化を考えるうえで看過できない欧州連合と国民国家の関係について、比較法学会第72回総会・全体シンポジウム「国民国家を超える「憲法」は可能か-1990年代以降のヨーロッパ統合の問いかけ」での報告を依頼され、ドイツ連邦共和国基本法およびドイツ連邦憲法裁判所とEUの関係について報告と質疑・討論を行った(報告内容を論文にまとめて学会誌に寄稿済みであるが、未だ刊行されていない)。国法秩序とEU法秩序の「交叉ないし連結」を「憲法結合」あるいは「多層的立憲主義」として説明する試みについて検討した。 なお、他の用務または研究経費での出張の機会を活用して東京での文献収集を行ったため、本研究費からの旅費の支出を抑え、その分を図書等の購入に充てることで研究経費の有効活用をはかることができた。
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