2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際規律と憲法―人権・環境・安全をめぐる国際協力と憲法的対応の総合的研究―
Project/Area Number |
20730025
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
齊藤 正彰 北星学園大学, 経済学部, 教授 (60301868)
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Keywords | 公法学 / 国際法学 / 憲法 / 条約 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は、人権・環境・安全の3領域に注目して国際規律の形成と実施の具体的な状況を明らかにしつつ、「国際規律と憲法の関係」を総合的に考察することを目的とする。 本年度は、中心的な対象として、国際組織犯罪防止条約、テロ防止関連諸条約などの犯罪対策・治安維持に関する国際規律、および、国連安保理決議による「国際立法」について憲法学としての対応を検討するという研究計画に基づき研究を進め、憲法・国際刑事法・国際機構法についての資料・文献文献を収集・考察した。くわえて、国際機構による国際規律の増大・高度化を考えるうえで看過できないEU法と構成国憲法の関係をめぐって、ドイツ連邦共和国基本法およびドイツ連邦憲法裁判所とEU法の関係についての論文を学会誌に掲載し、また、平成20年度からの本研究の成果を反映して、国際人権法に対する日本の最高裁のスタンスについての解説を執筆・公刊した。さらに、国法体系と超国家法・国際人権法との「交叉ないし連結」を「多層的立憲主義」として把握することについて、本研究の成果に基づいて論文を執筆し、その内容について3月に東京でのシンポジウムで報告・討論する予定であったが、今次大震災の影響で中止となった(執筆した論文は刊行予定である)。 なお、他の用務または研究経費での出張の機会を活用して東京での文献収集および意見交換等を行ったため、本研究費からは旅費を支出せず、その分を図書等の購入に充てることで研究経費の有効活用をはかることができた。
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Research Products
(2 results)