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2008 Fiscal Year Annual Research Report

近現代フランスにおけるレイシズムの思想史的研究

Research Project

Project/Area Number 20730108
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

長谷川 一年  Doshisha University, 法学部, 助教 (00399049)

Keywords政治学 / 思想史 / 社会学 / レイシズム / フランス
Research Abstract

平成20年度は、19世紀フランスにおけるレイシズムについて、その現代的意味をつねに問い直しながら研究を進めた。二度にわたりフランス(国立図書館)にて資料収集を行い、アルチュール・ド・ゴビノーとエルネスト・ルナンのレイシズムについて関連資料を閲覧・収集した。とくにゴビノーについては、従来からナチスの人種政策への影響が指摘されてきたため、ドイツ(フンボルト大学)においても関連資料を収集した。
その成果として、論文「レヴィ=ストロースとゴビノー--レイシズムをめぐって」(『思想』岩波書店、1016号)を公表することができた。この論文は、ゴビノー的思考様式の中心を「差異主義」として抽出したうえで、その今日的展開の一例として、人類学者レヴィニストロースの言説を検討したものである。一般に「文化相対主義」の提唱者として知られるこの人類学者が、なにゆえにゴビノーの思想を高く評価しているのか、また「文化相対主義」が必ずしも「他者への寛容」を帰結しないのはなぜなのかを、両者の言説を比較検討することによって明らかにした。さらに、共著『歴史・思想からみた現代政治』(法律文化社)において、近年台頭した新自由主義のロジックが、経済領域のみならず日常生活のすみずみにも浸透した結果、新しい形のレイシズムが登場していることを示唆した。すなわち、異質な他者を同化するのではなく、むしろ徹底的に他者を監視し、異質なものは排除するという権力への転換である。
このように平成20年度の研究を通して、レイシズムの持続/変容について理解を深めることができた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2008

All Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] レヴィ=ストロースとゴビノー--レイシズムをめぐって2008

    • Author(s)
      長谷川一年
    • Journal Title

      思想 第1016号

      Pages: 209-228

  • [Book] 思想・歴史からみた現代政治2008

    • Author(s)
      長谷川一年
    • Total Pages
      3-33
    • Publisher
      法律文化社

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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