2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際貿易が技術進歩と所得格差に与える効果についての理論分析
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20730160
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大土井 涼二 Osaka City University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90433292)
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Keywords | 対外直接投資 / ローカルコンテンツ規制 / 研究開発 / 内生成長 / 技術移転 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に執筆した論文"Innovation, foreign direct investment and local content requirement"を中国吉林大学で開かれたコンファレンスにおいて口頭発表した.この論文では,2国品質改善型内生成長モデルに対外直接投資(FDI)と途上国によるFDI企業へのローカルコンテンツ規制(LCR)を組み込み,この規制の緩和が先進国での研究開発と先進国・途上国の厚生に与える影響を分析した.その結果,以下の主要な結論を得た.(1)通常部品生産に必要な労働需要を守るために行われるLCRであるが,企業による内生的な立地決定を考慮すると,LCRの緩和によってホスト国である途上国の賃金はかえって上昇する,(2)LCRの緩和により先進国での研究開発が促進され,その結果,先進国・途上国の両国の家計が消費できる財の品質は上昇する,(3)ただし,財の価格はLCR緩和によって上昇する.これらの結果より,LCRの緩和が厚生に与える効果として,財の品質改善による正の効果と価格の高騰による負の効果の両方が存在することが明らかとなり,ある条件下では正の効果が負の効果を上回り,LCRの緩和はパレート改善的になることが示された.この論文は,大阪市立大学紀要であるOsaka City University Economic Reviewに掲載予定である.さらに,この論文において仮定された「生産された財は自由貿易される」という仮定を緩め,貿易障壁を組み込んだ際に結果にどのような差異が生じるかという拡張にも着手している.
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Research Products
(1 results)