2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730167
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長江 亮 Waseda University, 高等研究所, 助教 (80468876)
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Keywords | 障害者雇用 / 労働需要 / 人的資本管理施策 |
Research Abstract |
本研究では、障害者雇用の促進と障害者雇用に伴う企業負担の均等化を目的とした、日本の障害者雇用施策の政策評価研究を行うことを目的としている 具体的には(1)1998年の法定雇用率拡大、2003年に行われた施策の罰則措置である企業名公表で民間企業の障害者雇用率と雇用障害者数がどのように変化したのか、(2)企業利潤と障害者雇用との関係を計量経済学的に厳密な形で明らかにする。そして、(3)得られた結果を以前行った障害者雇用と資産市場からの評価研究と組み合わせることにより、日本の障害者雇用施策の包括的な政策評価研究を行うことが最終的な目標である。 本年度は(1)(2)に関して、大阪労働局から得られたデータから、(1) 2003年の企業名公表は製造大企業で障害者雇用率は統計的に有意に上昇、(2) 障害者雇用者数の増加は観察されない、(3) 非製造中小企業では障害者雇用率、障害者雇用者数は統計的に有意に減少することが分かった。(3)に関しては、障害者に対する労働需要に強く影響すると予想されるファミリーフレンドリー・均等化推進施策が円滑に機能する条件を、経営者の規律付け(コーポレート・ガバナンス)との関係を検証して明らかにした。 これらの研究は、各種研究会、法と経済学会等で報告し、コメントをいただいて改定したものをDiscussion Paperとして公表、さらに改訂を重ねつつ、来年度に向けて査読付雑誌に投稿準備中である。また、平成21年度発行予定である社会保障と経済社会との関係を学問的に明らかにし、日本の社会・経済の特質を明らかにすることを目的とした『社会保障と経済社会』シリーズ第三巻に、本研究のレビューをもとに障害者施策をテーマとした-章分を執筆した。
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Research Products
(6 results)