2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730183
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高塚 創 Kagawa University, 地域マネジメント研究科, 准教授 (50304572)
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Keywords | 財の垂直的な質 / 技術労働者 / 資本 / 立地の効率性 / 産業立地政策 |
Research Abstract |
本研究は, 地域政策の評価分析のための経済地理モデルの構築を目的としているが, 初年度である平成20年度は, 基本モデルの構築および人材・企業誘致政策の理論分析を中心に行い, 以下を明らかにした. 1. 技術労働者は資本(企業)よりも一般に集積傾向が強く, 結果的に大都市には生産規模が大きく, 高質な財を生産する企業が形成される. 2. 擬線形効用関数の下では, 企業の立地は最適となるが, 技術労働者の立地は最適とはならない. したがって, 企業の立地を制御する政策は最善の政策ではなく, 次善の政策となる. 3. 実際, 企業・技術労働者ともに分散させる立地が望ましいとしても, 企業の分散化のみではそれが実現できないときがある. これらの結果は, これは財の垂直的な質や労働者と資本の独立的な移動を認めない従来のモデルでは明らかにできなかった点である. また, 現実の立地および立地政策の帰結と照らし合わせても, 1や3は現実性の高い結果であり, モデルの妥当性を示している.
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Research Products
(3 results)