2008 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間期イングランド銀行の対外活動に関する研究‐ニーマイヤーの豪州訪問を巡って
Project/Area Number |
20730236
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 純 Hachinohe National College of Technology, 総合科学科, 准教授 (30413719)
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Keywords | イングランド銀行 / シティ / ニーマイヤー / 金融史 / 中央銀行 / イギリス帝国 |
Research Abstract |
イングランド銀行は1930年代初頭、金融アドバイザーのニーマイヤー(O. Niemeyer)をニュージーランドに派遣した。この活動内容を把握するため、ニーマイヤーの活動を記録した一次史料をニュージーランドの国立公文書間(Archives New Zealand)においてデジカメによる史料撮影・収集を行ってきた。この史料と、これまでの研究成果をふまえ、両大戦間期イングランド銀行による中央銀行創設・改革運動の全体像にせまることができた。 さらに、平成18・19年度・20年度の3年間にわたるイングランド銀行の活動に関する研究成果をまとめ、政治経済学・経済史学会の東北部会において発表した。この発表内容は、おもにアルゼンチンにおける中央銀行創設問題の研究を中心にしたものであるが、今回のニュージーランドで収集してきた一次史料の内容も反映させることによって、イングランド銀行の中央銀行創設・改革運動の全体像にせまる内容となった。 以上の研究活動の結果、イングランド銀行のアドバイザーが派遣された諸国の現地政策主体が中央銀行の創設に非常に大きな役割を果たしたことが明らかとなりつつある。これは、従来のイングランド銀行の意図のみを強調した主張に大きな修正をせまる事実である。今年度、英国公文書館(Public Record Office)で収集する予定の一次史料によって、現地政策主体の意図をさらに明確にすることによって上述の事実を証明したいと考える。
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Research Products
(4 results)